サッカーまとめのまとめ

契約が示す実質的な放映料の「値下げ」

ここまでを読むと「MLBはパートナーを増やし、全体収入も上がった」という印象を持つかもしれません。実際、ロブ・マンフレッドコミッショナーもそう語っています。

しかし数字を並べると景色が一変します。
旧ESPNパッケージ → 新NBC＋Netflix
ESPN旧契約：年間5.5億ドル
　　↓
NBC＋Netflix合計：年間2.5億ドル

つまり、約3億ドルの“値下げ”を余儀なくされました。
ESPNが離脱した時点でMLBは「これ以上安く売るくらいならESPNに維持させる」と反発しましたが、結果的に数字はESPNの“提示額”とほぼ同じ水準に落ち着いたのです。

これが今回のもっともシビアな現実です。

背景にある「全米中継の価値が下がっている」という事実

ここで強調したいのは、今回の結果は単なる交渉の敗北ではなく、全国放送の価値そのものが構造的に下落しているというトレンドに直撃した結果だということです。

理由はシンプルです。
① MLBは特性上、地域性が強すぎる
• NFLやNBAと違い、全米の視聴者が集まらない
• ESPN Sunday Night Baseball の平均視聴者は180万人と全米プライムタイム中継枠としては弱い数字
→参考までに、FOXのアナリストのポストを紹介。日曜朝にNFLネットワークで中継されているNFLインターナショナルシリーズ（欧州での公式戦）の平均視聴者数は620万人。日曜朝のケーブルチャンネルでも、アメフトならこれだけ視聴されているのです。